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我が家からクルマで40分ほどのところに、「安城マーメイドパレス」という屋内プール施設がある。愛知県安城市のゴミ焼却施設の排熱を利用したレジャー温水プールだ。流れるプールや波のプール、ウォータースライダーなどがあり、自治体の施設ではあるが、かなり遊べる（現在は指定管理業者が運営）。
3年前、まだ娘が小5、息子が小3の夏に初めて行き、それ以来、毎年、夏休みに1度は訪れるのが恒例となっている。
外周が流れるプールで真ん中は島のようになっている。そこにはウォータースライダーの滑り口もあるので、周囲より一段以上高くなっている。まるで360度から見えるセンターステージのようだ。
1時間に1度、15分休憩があり、利用者はプールから出てラジオ体操をする。初めて訪れた時、たまたまこのセンターステージにいてラジオ体操となった。ひときわ高い場所から、多くの利用者が一斉にラジオ体操をする様子が見え、それはまるでアーティストのライブ会場に見えたものだ。
その時、オイラの頭の中に、あの有名な「ライブハウス武道館へ、ようこそ！」というヒムロックの声が響き、物まねで娘と息子にネタを披露した。「安城マーメイドパレス、ラジオ体操へ、ようこそ！」。これがウケて、以来、何かというと子どもたちもネタにしていた。
翌年も、その翌年も、「安城マーメイドパレス、ラジオ体操へ、ようこそ！」を現地で披露するのが恒例となっていった。
だがしかし、今年の夏。娘は「プール？あんまり興味ないし」と不参加。息子と二人で出かけたのだが、ラジオ体操の時間に、いざあのセンターステージを目指そうとすると、息子は「今年もやるの？」と聞き、「恥ずかしいからやめたら」と宣った。
ああ、時は流れ、子どもは大人になり、こうしてロックは死んでいくのか。