1980年の京都、ヒポクラテスたち2023/02/24 09:12:09

Amazon Prime Videoで「ヒポクラテスたち」(1980年公開)を観る。京都府立医科大学出身の大森一樹監督が自らの医学生時代をモデルに描いた映画。ロケはモデルとなった府立医大を中心に京都市内でも行われ、1970年代後半の京都の町並みが映る。今ほど整備されていない川端通り。まだ地上にあった京阪の三条駅。記憶の中の風景がそこにあり、公開当時14歳だったはずなのに、なぜか登場人物たちと一緒に医大に通っていた気になった。学ぶことや熱中することは違っても、1980年代に京都の大学で過ごした空気は似ている。映画では医学生仲間は大学卒業後、それぞれの道へ進む。そこには、希望もあり、悲しい現実もあった。実際、演じた俳優たちもその後、大成した人も亡くなった人もいて、映画公開から40年過ぎたが、まだストーリーは続いているように思えた。大森一樹監督もお亡くなりになったが、あの時代をフィルムに焼き付けたこの作品の命は、まだ終わっていない。