ダムと六文銭♯62012/08/16 21:35:39

黒部ダム駅を出るとルートは2つ。220段の階段を上って展望台を目指すコースとトンネルを抜けてダム堰堤を目指すコース。2度もここを訪れている妻の自信たっぷりの意見に従って、我々は220段の階段を上る。

まずは一番高いところにある展望台まで上ってしまった方が、あとは降りるだけなので楽だとか。しかし、220段、けっこう大変だぜ。

旅行の出発前は、ダムなんてたいしたことないだろうと少々シニカルな気分だった。しかし、220段を上り終え、展望台に出て、そこから黒部ダムを見下ろすと、「うわーっ!すげー!」と思わず声が出た。

周囲を取り囲む山々、巨大な建造物であるダムと、堰き止められた美しいエメラルドグリーンの湖。毎秒10万トンの巨大な霧状の放水。自然と人間が作り上げた素晴らしい風景。もちろん、これを自然破壊という目で見る人もいるだろう。しかし、大自然に立ち向かい、人間の存在を大地に刻んでいる、ひとつのアートと言っても過言ではないと思った。

面白いのは、展望台に来る人、来る人、誰もが「うわーっ!すげー!」と必ず口にすることだ。そして、いくら見ていても見飽きない風景だった。

展望台からは斜面にへばりつくように作られた野外階段を降りてダム堰堤まで降りる。妻の言うとおり、堰堤からスタートし、この野外階段を上っていくのは大変だ。220段以上あるし、風が吹くと飛ばされそうだし、鉄製の手すりは太陽に照らされ、暑くてつかめない。降りるだけでも足がガクガクする。息子などは完全にへっぴり腰になっている。

展望台から黒部ダムを見下ろす

エメラルドグリーンの美しいダム湖

かなり怖いぜ、野外階段