(映画)ソーシャル・ネットワーク2011/02/13 13:59:12

アメリカの良き側面であるアメリカンドリーム。アメリカ映画ももちろんそのひとつであり、アメリカンドリームを題材にした優れた映画も多い。「ソーシャル・ネットワーク」は現代のアメリカンドリームであるIT業界を題材に、しかしながら単純な成功譚を描くことが難しい時代に、陰影のあるアメリカンドリームを描いて見せた作品だと思う。
また、アメリカ映画の伝統のひとつである法廷劇の要素を加えることで、観客をストーリーに引き込んでいく。
最初はFacebookの誕生物語として興味を持った観客も、ストーリー運びの秀逸さと少しほろ苦いアメリカンドリームという物語の面白さに高い評価を与えるのではないだろうか。実際、映画として優れた作品だし、Facebookというのは単なる題材、あるいはマーケティング要素だと考える方が、映画鑑賞としては正しいと思う。
が、その反面、最近のチュニジア、エジプトなどでの政治的な動きにFacebookが大きな役割を果たしたというニュースも含めて、ひょっとしてこれはFacebook拡大のためのPRなのではないかという勘繰りもできてしまう。
きっとこの映画を見た後でFacebookを始めてみようという人は多いと思う。ラストシーンで「いろいろあったけど、Facebookってやっぱり人と人をつなげるツールだよね」という性善説を信じるかどうか。それは見る人次第。でも、世界で5億人もの規模を持つネットワークって、僕は空恐ろしい気がする。

(追記)原作や映画化にあたって主人公であるFacebook創始者マーク・ザッカーバーグから取材を拒否されたそうだが、ラストの曲を“あれ”にしたということは、製作者の視点はシニカルなのかもしれない。

コメント

_ こんちゃん ― 2011/02/14 13:08:53

最近のエジプトを初めとしたネット革命の拡大はすごいですな。
小さい衝突はあったものの、
基本的に「内戦勃発なし」で大統領を辞任に追い込んだ民衆革命。
その民衆をつないだのが、フェースブックとかツイッターとかの
ネットツール。
IT革命って、やっぱり産業革命以来の衝撃なんだね。
きっと将来、
「21世紀初頭に中近東独裁諸国に巻き起こったネット革命の嵐は、、、」なんて、教科書に載るんだろうね。
われわれ、歴史の生き証人だよ。

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